2020年07月07日

書評 「卽興詩人ハンス・アンデルセン著 森鷗外譯(電子書籍版)」

素晴しい至福の時間が過ごせる電子本         常任理事 加藤忠郎

世界的に知られる童話作家ハンス・アンデルセンの最初の自傳的長編小説『卽興詩人』は、日本では森鷗外の典雅な文語譯で廣く知られてゐます。ストーリー展開の面白さとともに、イタリヤの旅行記とも呼べる作品は日本でも大きな反響を呼びました。森鷗外の譯は原作以上に素晴らしい文學作品だとも謂はれてゐます。

本書はやゝ難しい文語文のあらすじを著者が分かり易く書き、要所要所に原文が現はれ、原文を見ながら情感あふれる朗讀を聽くことが出來ます。森鷗外の文語文を此のやうに朗讀出來るのは此の人の他にはゐないと思ひました。朗讀するのはNHKでも何度も出演してゐる橘由貴さんで、數十の登場人物を語り分け出來る「ヴォイスアーティスト」と自稱する素晴らしい朗讀家です。

文語文の原文を見ながら橘由貴さんの朗讀を聽いてゐると至福の時間を過ごすことが出來ます。特に主人公のアントニオがサンタ夫人に迫られる場面と、アントニオが愛したアヌンチアタの死を覺悟した手紙の朗讀は壓卷です。

「卽興詩人ハンス・アンデルセン著 森鷗外譯(電子書籍版)」谷田貝常夫要約、橘由貴朗讀(kindle にて購入可)
posted by 書評 at 20:56| Comment(0) | 加藤忠郎
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